【レビュー】中学生までで決まる!リケダン、リケジョの育てかた

ふと、図書館に行って教育コーナーを眺めていたら、発見しました。





「リケジョはこういう生き物です!」
「理系はこういう人たちです!」
という報道や書籍はよく見かけますけど、育て方についてはあまり見たことがなかったので借りてみました。

論旨としては、
・子どもの疑問に対して大人が積極的に関わる
・「理科が好き」だけで理系に向いていると判断してはいけない
という2つのメッセージでした。

現場の先生だからこそわかること
著者は、小学校を中心に教育業界で活動されてきた方です。

それだけに「大人」という言葉を使っていることや、
タイトルに「育てかた」というワードが入っていところには、
「学校現場だけではなく、家庭での関わりが大事」というスタンスから論じているのだと思います。

また、最近は子どもの進路決定(大学受験も含む)に、
親の関与が大きくなっていることも、
著者のとるスタンスに影響しているのでしょうか。

実際問題として、学校現場で教育のすべてを行うことは難しく、
特に学齢の低いところでは「大人」の関与が大きくあるのだと思います。

理系とは科学的思考ができること
「科学的思考」=「課題を発見して、解決することができること」です。
最近いくつか理系についてのレビューを読んでいると、
「文理の違いは、『理系』であるか否かである」という意見をよく見ます。

この本でも「科学的思考」の有無で理系を判断しています。
日常のちょっとした現象に疑問を感じ、それをなぜだろうと考えることができること、
それが理系なのだと思います。

「理科が好き」=理系に向いている、とは限らない
理科が好きであるということには、いくつか種類があるようで、
・実験器具を触ることが好き
・発表することが好き
というものもあるようです。

ただ、先に示した「理系とは科学的思考ができること」にもあるように、
これらの態度だけでは理系に向いているかどうかはわかりません。
「課題を発見して、解決すること」ができるかどうかが、理系に向いているかどうかのポイントです。

なので、実験を好んでやっている場合よりは、
一人でじっくり考えている場合のほうが、理系に向いていることもあるようです。
「科学的思考」を、どこで評価するかがポイントですね。



タイトルだけだと、「理系を育てるにはどうするか?」という風にも見えますが、
実際読んでみると育児全般の話でした。
リケダン、リケジョにするつもりがなくても、一読していただくことをおすすめします。

ちなみに、「中学生までで決まる」と言っているのはおそらく、
大学受験を考えて中学受験するからなのだと思います。



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