決済系サービスのアプリUI
来週、au PAYアプリがアップデートするようです。
2022.1.19 au PAY アプリのデザインをリニューアル
最近アプリのホーム画面をいくつか見てきて、だいたい落ち着いてきたのかなと思ったので、
まとめてみます。
PayPay
キャッシュレス決済を世の中に広めたと言ってもいいPayPay。
僕も2億円キャンペーンを始め、キャンペーンのあるたびに利用しています。
使えるところが多いのと、対応しているクレジットカードが多い(というか制限がない)ので、
クレジットカードを読み取り機に差し込むのすら面倒な場合に、
PayPayで決済しています。
PayPayを使い始めたのが2018年の12月くらいだったと思いますが、
基本的にホーム画面の思想は変わっていない気がします。
画面下の「支払う」のボタンを目立たせるなど、マイナーチェンジは相当数やっていると思います。
支払い体験をコアにしたUIで、他のアプリに比べて起動が早いことからも、
支払い機能に特化させていることが伺えます。
画面上部にコードを表示していたり、
上から順に利用頻度の高い機能を並べ、告知やキャンペーンについては画面下に並べる。
決済アプリの標準形となっているといえます。
d払い
キャッシュレス決済が普及し始めて1年後くらいに、不正利用などで大変だったd払い。
リリース当初はQRコードが全面に出るデザインで、
洗練されているとは言えませんが、PayPay同様決済機能に特化したホーム画面です。
途中で、PayPay同様バーコード部分をシンプルにし、
ミニアプリを1段多めに詰め込めるようにしたのでしょうか。
キャンペーンなどのお知らせは他アプリに比べると控えめで、
ドコモの戦略として、dカードの決済や、金曜土曜のネット決済のポイントアップなど、
ドコモ契約者を囲い込む施策の1つ、くらいであることが伺えます。
アプリファーストで世界を作っていくPayPay(ソフトバンク)と、
アプリ以外も含めて経済圏を作っていくドコモと、
戦略の違いがわかりやすく出ていると思います。
au PAY
大手3社の中ではある意味一番苦労していたであろうau。
立ち上げ時に小粒のキャンペーンを長めに実施していて(かつコロナ感染と被ってしまい)、ユーザー獲得に苦労していた印象があります。
Pontaとの連携でようやく他社と同じ土俵に乗れた感じでしょうか。
他社とは異なる戦略で、銀行、電気や保険など、生活に関わるものまでひっくるめての経済圏を作ろうとしているのがauです。
そのメインの入口としてau PAYを位置づけたいためか、
リニューアル前のホーム画面には、かなりの機能と、キャンペーンが並んでおり、
還元キャンペーンをやっていなかったら、一番使っていなかったであろうアプリです。
今回のリニューアルで、PayPayに似た、「財布から取り出すようなUI」を採用しており、
ホーム画面を決済機能に特化させたように見えます。
今後、他サービスへの送客をどのように行う戦略なのか、
注目です。
楽天ペイ
すでに「楽天経済圏」と言われる世界を築いており、
ある意味他社とは一線を画しているのが楽天ペイです。
- ユーザー行動を促す源泉である楽天ポイント
- 役割がいまいちわからない楽天キャッシュ
- 20年ほど前からの、SuicaとともにFeliCaを日本中に広めたと言ってもいい楽天Edy
- これらに加えて楽天ペイ、
まとめるというより、まとめざるを得なかったところもあるかもしれませんが、
ユーザーの使いやすいように複数のパターンのアプリを提供しているので、
間口は広く、取得するデータは一元的に活用できるという、ノウハウのある楽天だからできることだと思います。
楽天ペイは複数サービスをまとめていますが、個々がきちんと役割を果たせるよう、
決済系のサービスのみに絞っており、
銀行や保険など、毛色が違うものは楽天サービス一覧として別のページを案内しています。
ここも、auとの戦略の違いが見えるところです。
- au PAYを入り口に、他のサービスに送客したいau
- 1つ1つのサービスが独立していて(かつ、数も多いので)、入り口はそれぞれ用意して、ユーザーが意図しないところでデータをつなげる楽天
楽天に対してよほどのネガがなければ、楽天の形が使い勝手がいいかなと思います。
ただ、これはすでに経済圏が確立している楽天だからできることであり、
他社が同様のことをやろうとすると、よほどエッジのたったサービスがないと、
続かない気がしています。
お薬手帳
最後に紹介するのは、決済系サービスではないのですが、
PayPayに酷似したUIを採用している、お薬手帳アプリです。
最初のキャプチャと見比べるとよく分かるのですが、
本当にそっくりです。
果たしてお薬手帳というユースケースに、財布を模したUIが適しているかは疑問がありますが、
予約機能などに展開していく、という意志の現れなのかもしれません。
決済とは全く違うような業界と思えたお薬手帳も、
同じ財布の中と捉えると、近い位置づけなのかもしれませんね。
まとめ
今回は決済系アプリのUIを比較しましたが、
いわゆる「マイページ」的なものを持つサービスのホーム画面(スマホ)については、
下記の共通点があると思います。
- まずはユーザーがやりたいことを上半分に出す(決済、確認など)
- 他にユーザーがよく使う機能や、キャンペーンなどのお知らせを下半分に出す
- 一番指が届きやすい最下部には、アプリの全体像をつかめるグローバルナビを設置
「自分だけの情報」を使うことに特化していることが伺えます。
あとは、ホーム画面のカテゴライズとしては下記のようになるかなと。
- 自分だけの情報
- 決済アプリ、ポイントカードアプリ
- 通信量確認アプリ(携帯電話会社など)
- 決済金額確認アプリ(クレジットカードなど)
- (カスタマイズもされるけど)一般的な情報
- ニュースアプリ
- ショッピングアプリ
- コミュニケーション
- メッセージアプリ(LINE、Slack、Teams)
- SNS(Facebook、Twitter、Instagram)
- データベース(入力と確認に特化)
- 家計簿アプリ、健康管理アプリ
- メモアプリ(Notion、Evernote)
使い勝手のいいUIへの評価なのだと思います。
さもなくば、現行のau PAYのようになってしまいますね。
最後に、個人的には、ユーザーのスマホにセルフレジ機能をもたせるアプリが、
今後どのようなUIに進化していくかを注目しています。
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