三省堂サイエンスカフェ

久しぶりに、紀伊国屋以外のサイエンスカフェに行ってきました。そして、最近思ったことを文章にすることが少ないので、文章を各トレーニングとして、感想等を書こうと思います。




本日のサイエンスカフェのゲストは、元 北海道大学理学部の准教授 若原正己先生でした。CoSTEPのみが主催している紀伊国屋のサイエンスカフェとは異なり(実際は、他の団体がメディカルカフェなどを開催していますが)、三省堂サイエンスカフェでは、様々な団体が運営を行っています。他にも、参加費が必要であったり、オープンスペースではなく、本当のカフェでやるという点で、いつもCoSTEPの受講生がお世話になっている三省堂のサイエンスカフェとは大きく異なります。個人的には、こちらのカフェの方が自分のイメージするサイエンスカフェに近いので好きです。

タイトルは「スポーツ、人種、そして遺伝子」ということで、いかにもゲノムの話をしそうなタイトルです。ざっくり概要を書くと、「黒人(特にアフリカ出身選手)は足が速いと言われるが、それはひとことに『アフリカ人』とくくるのではなく、東西に分けることによって違いが出る。それは遺伝子の違いに寄る物ではないか」「しかし、遺伝子の違いで足の速さを全て説明できる訳ではない。他の要因も関わってくるので一概に判断することはできない」「環境によって表現型が変化する場合がある」という流れでした。

お話の大きなテーマは「氏か育ちか?=遺伝子か環境か?」で、まとめでは「氏も育ちも」と結ばれていました。これまでは遺伝子が表現型(=足の速さなど)を全て決定しているという生物学的な考え方がメインでしたが、最近は周りの環境が遺伝子発現に影響していると言う、エピジェネティクスやポストゲノムのお話にまで発展していきました。


途中に質問タイムがあったので、遺伝子と表現型の関係について突っ込んだ質問をしてみたのですが、まだはっきりとしたことはわかっていなようです。。。と、今文章に起こしてみて自分がちぐはぐな質問をしていたことに気づきました。アンギオテンシン転換酵素(アンギオテンシンⅠ→Ⅱへの転換、Ⅱの方が血管の収縮作用が強い=高血圧によりなりやすい)についてのお話があり、高所登山家には転換酵素の活性が低い人が多い=アンギオテンシンⅡによって高血圧になる要素が少ない人が多い、という事でした。が、しかし、高所登山家が高血圧だと勘違いして質問していました。「高血圧によって循環量が上がると・・・」お恥ずかしい。今調べてみると、高血圧は血管が収縮することによって起こるので、結果として血液の循環量が下がるみたいですね。高所登山家の場合は、アンギオテンシンⅡへの転換がより少ないため、循環量を下げることなく、運動を続けられるという結果でした。(スポーツポータルサイト ウェブリーグより

アンギオテンシンや表現型の違いないど、栄養学に関わってきそうな部分も多かったので、もうちょっと詳しくお話を伺いたかったのですが、サイエンスカフェという場所を考えると、適度な難易度でしたし、お話の裏にもっと深い知識があることを感じました。現役で教鞭と取られていたときには、さぞかし面白い話をされていたのではないでしょうか。理学部ではありませんが、できるなら授業を受けてみたかったです。


文章にすると、意外な発見もあるものですね。この習慣、いつまで続けられるやら。

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