さっぽろ1000人ワールドカフェに参加してきました #sap_wcf
札幌市が?ワールドカフェ?みたいなかんじで、100%興味本位で参加しました。その報告と感想を書き綴りたいと思います。
本日13時から16時半まで、ロイトン札幌にて「さっぽろ1000人ワールドカフェ」に参加しました。今日の記事で書く内容は以下の通りです。
・僕がなぜ参加したか
・企画の趣旨について
・企画の運営について
・ワールドカフェの中で出た「名案」について
・上記についての評価
ではまず、
僕がなぜ参加したか
です。
僕は学生団対活動に関わる中で、「ファシリテーション」に興味を持つようになりました。ファシリテーションという言葉はあまりなじみがない人も多いと思うので言い換えると、「どうやったら話し合いを上手く進める事が出来るか」ということです。(実はちょっと違いますけど、この言葉が一番わかりやすいと思います)
実際に北大映画館プロジェクトでは、組織内で生じた問題の解決方法を(メンバー自ら導きだすために)ワールドカフェの形式を用いて、導きだしました。
ちなみにそのときに参考にしたのが「決めない会議―たったこれだけで、創造的な場になる10の法則/香取一昭」です。
内容はさておき、学生団体の場でワールドカフェを実践する事があったのです。
しかし、学生が企画する物で出来る範囲は決まっています。特にワールドカフェとなると幅広い層の人々に対してどのようにアプローチを取るか、非常に難しいので、学生主導だと100人が限度かなと言ったところです。
今回は「1000人」でワールドカフェをするという事だったので、どのように運営するのだろうかと思い、参加してみました。また、個人的にまちづくりには興味があったので、ワールドカフェを用いたまちづくりを見てみようとも思いました。
つぎに、
企画の趣旨について
です。
現在札幌市は平成25年からの10年間を計画期間として「札幌市まちづくり戦略ビジョン」の策定に取り組んでいます。急速な時代変化に対応するため、将来を見据えた、しかも地に足の着いた議論が必要です。そのため、市民を巻き込んでビジョンの策定に取り組もうとしています。
資料によりますと、ビジョン策定にあたっては「市民と共有できるビジョン」「『選択と集中』のための重点戦略」が大きな視点として挙げられています。
その中で、市民参加事業の一つとして今回の「さっぽろ1000人ワールドカフェ」が位置づけられています。当日の説明では、「市民からの意見を吸い上げる」ようなニュアンスを感じました。
そして、
企画の運営について
です。
個人的には一番気になるところですが、一番わからないところでもあります。
大枠としては、主催は札幌市、ワールドカフェのセッションは(おそらく)日本ファシリテーター協会北海道支部が担当しており、企画者については不明です。僕の近辺だと関係者がわからないので、市民レベルの提案ではなく、上あるいは横からの影響が大きいと思われます。一部の情報によれば、横浜市で行われたワールドカフェをモデルに、札幌市バージョンを企画した、との話もあります。
横浜はリッチですね。パシフィコ横浜を使えるなんてうらやましすぎます。
プログラムとしては、最初にゲストと札幌市長を交えたデモセッションがあり、その後、参加者のワールドカフェを行いました。ワールドカフェは3つのセッションで区切られ、それぞれに「問い」が提示され、それについておしゃべるする形式でした。よくある一般的なワールドカフェの形式です。
さて、
ワールドカフェの中で出た「名案」について
です。
3つのセッションの後、最初のグループに戻って「さっぽろにどんなまちになってほしいですか?」の問いに対する答えを考えました。最後に各グループの答えを見て回る時間があったので、そこでいくつかピンときた答えを載せてみます。
・チャレンジできるまち、札幌
手前味噌ながら、僕のいたグループの答えです。それまでのおしゃべりで、札幌の良さとして「学生が多い」「女性が多い」「開拓精神」「新しい物を試す場所」などが挙げられていました。その結果、「チャレンジをしやすい環境を作るのがいいのではないか。特に学生に頑張ってもらいたいので、学生のチャレンジを応援できるような体制を、市、大学、企業が整えたらいいのではないか」という答えが出ました。
・逃げてこい!札幌!
すごい挑戦的なキャッチフレーズですね。実はこのグループ、3回目のセッションで僕がいたグループなんです。おそらく、「チャレンジ」「開拓精神」などのキーワードから、「受け入れてくれるまち、さっぽろ」のようなキーワードに行き着いたのではないかと思います。非常にいいと思います。
・カスタマイズできるまち、札幌
これはゲストの麻生さんが最後におっしゃっていたフレーズなのですが、僕もかなり同意できます。麻生さんの趣旨としては、「それぞれが住みやすいまちにしていこう」という物なのですが、僕の観点は少し違います。
そもそも、札幌は計画都市で、きれいに作られた街にいろいろな文化を持ち込んできました。それゆえ「”らしさ”がないことが、さっぽろ”らしさ”」であるのです。つまり、これからいくらでも文化を持ち込め、いくらでも新しい文化を作り上げる事が出来るのではないかと。
おそらく東京や大阪ではこのようには行きません。新しい事を始めるためには、今までの習慣や、その場所にあった物を一度無くさないとできません。
ところが、札幌であればまだ歴史も古い分、どんどんと新しい物に切り替える事が出来るのです。この点、「チャレンジできるまち」と近いですね。さっぽろには大通公園というスペースがあります。季節によって立ち代わりイベントが開かれます。これが札幌の良さだと思います。
最後に、
上記についての評価
です。
今日のワールドカフェを振り返ってみて真っ先に思うのは、「行政は大変だな」ということです。
一企業ならターゲットを絞り込んで、そこに対してどのようにアプローチをかけて消費行動に移ってもらうか考えればいいのですが、行政は全ての人を対象にするため、一つの軸では判断できません。人の数だけ軸を持つ事が必要なのです。
今回のワールドカフェは、まだましな方だと思います。「ワールドカフェ」「まちづくり」などのキーワードに引っかかる人が集まっている訳ですから、みなさんコミュニケーション能力が非常に高く、楽しめる物であったし、生産性の高いワールドカフェでした。
しかし、これが現実的な行政活動になると、特定の興味を持った人だけではなく、市民全てを対象に行わなければならないため、対応が難しくなってきます。最後に上田市長が、「一部のグループでは、『ビアガーデンでワールドカフェをやったらいいのではないだろうか』という意見が聞かれた」と言っていましたが、それは難しいと思います。窓口業務などでも同じ意味で難しい事が起こっているのですね。
また、今回のワールドカフェの特徴として、「上田市長が市民の前(と中)で話をする」ことが挙げられます。非常にフランクな方として有名な上田市長ですが、実際に市民と一緒になってさっぽろの未来を考えようとする姿勢が参加者に伝わり、「ここで考えた事が実際に札幌市の行政として行われるかもしれない」という参加者の淡い期待に変わり、みなさん希望を持っておしゃべりできていたようです。
この期待が淡い物で終わってしまうか、それとも確固たる物として確立されるか判断するのは難ありですが、少なくとも今日参加した500人弱の札幌市民は、「自分たちの住むまち、さっぽろ」に対して、かなり愛着を持つことが出来たのではないでしょうか。
実際に僕自身も地元岡山をどうやったら活性化できるか、を考えていた時期があり、今回のワールドカフェもそれに近い意見を言おうかと思ったのですが、実際には違って、きちんと「さっぽろ」として考える事が出来たのは、新たな発見でした。
上に書いた事意外にも、学ぶ事は多くありました。それらを咀嚼し、自分の物にして行きたいなと思います。
本日13時から16時半まで、ロイトン札幌にて「さっぽろ1000人ワールドカフェ」に参加しました。今日の記事で書く内容は以下の通りです。
・僕がなぜ参加したか
・企画の趣旨について
・企画の運営について
・ワールドカフェの中で出た「名案」について
・上記についての評価
ではまず、
僕がなぜ参加したか
です。
僕は学生団対活動に関わる中で、「ファシリテーション」に興味を持つようになりました。ファシリテーションという言葉はあまりなじみがない人も多いと思うので言い換えると、「どうやったら話し合いを上手く進める事が出来るか」ということです。(実はちょっと違いますけど、この言葉が一番わかりやすいと思います)
実際に北大映画館プロジェクトでは、組織内で生じた問題の解決方法を(メンバー自ら導きだすために)ワールドカフェの形式を用いて、導きだしました。
ちなみにそのときに参考にしたのが「決めない会議―たったこれだけで、創造的な場になる10の法則/香取一昭」です。
内容はさておき、学生団体の場でワールドカフェを実践する事があったのです。
しかし、学生が企画する物で出来る範囲は決まっています。特にワールドカフェとなると幅広い層の人々に対してどのようにアプローチを取るか、非常に難しいので、学生主導だと100人が限度かなと言ったところです。
今回は「1000人」でワールドカフェをするという事だったので、どのように運営するのだろうかと思い、参加してみました。また、個人的にまちづくりには興味があったので、ワールドカフェを用いたまちづくりを見てみようとも思いました。
つぎに、
企画の趣旨について
です。
現在札幌市は平成25年からの10年間を計画期間として「札幌市まちづくり戦略ビジョン」の策定に取り組んでいます。急速な時代変化に対応するため、将来を見据えた、しかも地に足の着いた議論が必要です。そのため、市民を巻き込んでビジョンの策定に取り組もうとしています。
資料によりますと、ビジョン策定にあたっては「市民と共有できるビジョン」「『選択と集中』のための重点戦略」が大きな視点として挙げられています。
その中で、市民参加事業の一つとして今回の「さっぽろ1000人ワールドカフェ」が位置づけられています。当日の説明では、「市民からの意見を吸い上げる」ようなニュアンスを感じました。
そして、
企画の運営について
です。
個人的には一番気になるところですが、一番わからないところでもあります。
大枠としては、主催は札幌市、ワールドカフェのセッションは(おそらく)日本ファシリテーター協会北海道支部が担当しており、企画者については不明です。僕の近辺だと関係者がわからないので、市民レベルの提案ではなく、上あるいは横からの影響が大きいと思われます。一部の情報によれば、横浜市で行われたワールドカフェをモデルに、札幌市バージョンを企画した、との話もあります。
横浜はリッチですね。パシフィコ横浜を使えるなんてうらやましすぎます。
プログラムとしては、最初にゲストと札幌市長を交えたデモセッションがあり、その後、参加者のワールドカフェを行いました。ワールドカフェは3つのセッションで区切られ、それぞれに「問い」が提示され、それについておしゃべるする形式でした。よくある一般的なワールドカフェの形式です。
さて、
ワールドカフェの中で出た「名案」について
です。
3つのセッションの後、最初のグループに戻って「さっぽろにどんなまちになってほしいですか?」の問いに対する答えを考えました。最後に各グループの答えを見て回る時間があったので、そこでいくつかピンときた答えを載せてみます。
・チャレンジできるまち、札幌
手前味噌ながら、僕のいたグループの答えです。それまでのおしゃべりで、札幌の良さとして「学生が多い」「女性が多い」「開拓精神」「新しい物を試す場所」などが挙げられていました。その結果、「チャレンジをしやすい環境を作るのがいいのではないか。特に学生に頑張ってもらいたいので、学生のチャレンジを応援できるような体制を、市、大学、企業が整えたらいいのではないか」という答えが出ました。
・逃げてこい!札幌!
すごい挑戦的なキャッチフレーズですね。実はこのグループ、3回目のセッションで僕がいたグループなんです。おそらく、「チャレンジ」「開拓精神」などのキーワードから、「受け入れてくれるまち、さっぽろ」のようなキーワードに行き着いたのではないかと思います。非常にいいと思います。
・カスタマイズできるまち、札幌
これはゲストの麻生さんが最後におっしゃっていたフレーズなのですが、僕もかなり同意できます。麻生さんの趣旨としては、「それぞれが住みやすいまちにしていこう」という物なのですが、僕の観点は少し違います。
そもそも、札幌は計画都市で、きれいに作られた街にいろいろな文化を持ち込んできました。それゆえ「”らしさ”がないことが、さっぽろ”らしさ”」であるのです。つまり、これからいくらでも文化を持ち込め、いくらでも新しい文化を作り上げる事が出来るのではないかと。
おそらく東京や大阪ではこのようには行きません。新しい事を始めるためには、今までの習慣や、その場所にあった物を一度無くさないとできません。
ところが、札幌であればまだ歴史も古い分、どんどんと新しい物に切り替える事が出来るのです。この点、「チャレンジできるまち」と近いですね。さっぽろには大通公園というスペースがあります。季節によって立ち代わりイベントが開かれます。これが札幌の良さだと思います。
最後に、
上記についての評価
です。
今日のワールドカフェを振り返ってみて真っ先に思うのは、「行政は大変だな」ということです。
一企業ならターゲットを絞り込んで、そこに対してどのようにアプローチをかけて消費行動に移ってもらうか考えればいいのですが、行政は全ての人を対象にするため、一つの軸では判断できません。人の数だけ軸を持つ事が必要なのです。
今回のワールドカフェは、まだましな方だと思います。「ワールドカフェ」「まちづくり」などのキーワードに引っかかる人が集まっている訳ですから、みなさんコミュニケーション能力が非常に高く、楽しめる物であったし、生産性の高いワールドカフェでした。
しかし、これが現実的な行政活動になると、特定の興味を持った人だけではなく、市民全てを対象に行わなければならないため、対応が難しくなってきます。最後に上田市長が、「一部のグループでは、『ビアガーデンでワールドカフェをやったらいいのではないだろうか』という意見が聞かれた」と言っていましたが、それは難しいと思います。窓口業務などでも同じ意味で難しい事が起こっているのですね。
また、今回のワールドカフェの特徴として、「上田市長が市民の前(と中)で話をする」ことが挙げられます。非常にフランクな方として有名な上田市長ですが、実際に市民と一緒になってさっぽろの未来を考えようとする姿勢が参加者に伝わり、「ここで考えた事が実際に札幌市の行政として行われるかもしれない」という参加者の淡い期待に変わり、みなさん希望を持っておしゃべりできていたようです。
この期待が淡い物で終わってしまうか、それとも確固たる物として確立されるか判断するのは難ありですが、少なくとも今日参加した500人弱の札幌市民は、「自分たちの住むまち、さっぽろ」に対して、かなり愛着を持つことが出来たのではないでしょうか。
実際に僕自身も地元岡山をどうやったら活性化できるか、を考えていた時期があり、今回のワールドカフェもそれに近い意見を言おうかと思ったのですが、実際には違って、きちんと「さっぽろ」として考える事が出来たのは、新たな発見でした。
上に書いた事意外にも、学ぶ事は多くありました。それらを咀嚼し、自分の物にして行きたいなと思います。
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